教員紹介vol.10 池庄司 淳 先生

毎回、本ブログ上で本学通信日本画コースの教員お一人を
ピックアップし、作品と共にご紹介していくこの企画。


第10回は、
池庄司 淳 先生です。

今回は、1986年〜近年までの先生の制作を順を追ってご紹介頂きました。
先生の表現のうつろいとともに、その背後にすっと一筋通る背骨のようなものを
伺える5作品。
来月、京都開催の風景写生スクーリングを受講予定の方は、期間中に先生とお会いできるかと思います。
時を同じくして、先生が所属されている創画展が東京からスタートします。
皆さん是非、会場で先生の作品を直でもご覧下さい。


--------------------------------------------------------------------------- 



池庄司 淳   Ikeshoji Jun
 担当科目:1、
3年次科目

















移り行く時と共に刻々と変化する事象に心引かれます。
同時に過ぎ行く時の厳しさや無常感も重く心に残ります。


--------------------------------------------------------------------

【作品紹介】








「歴」 1986年  90.0×116.7cm (「京の四季」展出品作)


普段顧みられる事のない朽ち果てた壁の様に、造形性を感じると共に、ゆっくりと流れて行く時の重みも伝わってきます。








「杜の声」 1993年 160.0×100.0cm


木立を見上げた先に風の音や鳥の声、その他諸々の音を含め、全てがない交ぜになって体を包み込む。





「断片風景ー2」 2004年 160.0×100.0cm




形あるものは何れ塵と成り、土に還って行く。そんなことを思いながら描いた作品です。








「湖辺西風」 2008年 162.1×130.3cm (「第7回 雪舟の里総社墨彩画公募展」出品作)


湖を吹き抜ける風は時に強風となり辺りの樹々を揺らし、葉音を激しく鳴らす。思わず空を見上げ、暫く時を忘れてその音に聞き入ってしまいます。







「片隅の風景」 2014年 162.1×162.1cm (「第41回 創画展」出品作)




埃っぽい地面の所々に芝や草、根が生えているだけの、何の変哲もない公園の一角。
振り返る事のない、そんな片隅にも命の循環はあります。





--------------------------------------------------------------------


【プロフィール】




池庄司 淳 (イケショウジ  ジュン)



1957年 広島県呉市に生まれる
1983年 第9回京都春季創画展 初入選 以後出品
              第10回創画展 初入選 以後出品
1986年 「京の四季」展入選 作品買い上げ
1992年 第44回京展 京都市芸術文化協会賞 ‘93同賞
2001年 第7回京都日本画家協会新鋭選抜展 京都文化博物館賞
2008年 第34回京都春季創画展 春季展賞
              第35回創画展 奨励賞
              第7回雪舟の里総社墨彩画公募展 特選 作品買い上げ

現在 創画会会友