教員紹介 vol.26 林孝二 先生

毎回、本ブログ上で本学通信日本画コースの教員お一人をピックアップし、
作品と共にご紹介していくこの企画。
第26回は、林孝二 
先生です。


京都・瓜生キャンパスにて1年次科目をご担当頂いています。
先生の作品と言えば、生命のうねりを感じさせるような樹木の大作シリーズも印象的ですが、今回は花と風景をモチーフにした5作品をご紹介頂きました。

画像では判りづらいのですが、支持体での意匠にも要注目です!
間もなく先生ご参加の「尖」展も開催されます。是非ご覧下さい。

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林 孝二  Hayashi Koji
 担当科目:1年次科目
















野の花や庭の花、大きな樹、、、
失われ行く風景などを描く事が多いです。
年と共に花の美しさが身に染みて来ます。
同じ所に毎年咲く花もその表情は変わります。
今、目の前にある一輪の花とは今しか出会えません。
描く方の自分も変わって行くでしょう。
一期一会、出会えた不思議に感謝しこれからも描いて行きたいと思います。


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【作品紹介】






「竜胆と姫女苑」 2014年 3号M 



 ある日、野の花を探していると遠くに鮮やかな紫が見えました。
釣鐘人参にしては大きいし、もしかして…と近付くと竜胆(りんどう)の花が風に揺れていました。初めて野生の竜胆を見つけたどきどき感は今も蘇ります。







「ほたるぶくろ」 2014年 8号P



 袋状の花に何故か昔から惹かれます。特に梅雨時の湿った空気の中に明かりを灯す様に咲いている蛍袋の姿はえも言われぬ情感があります。







「鶏頭図・佇」 2014年  50号P 



鶏頭を描く時は肖像画を描く気分になる事が多いです。
虫の喰った衣を身に纏い、少しこうべを上げ佇んでいる古風な人、と言ったところでしょうか。











「木蓮」 2014年  100号M  



毎年庭を彩る白木蓮と二種類の紫木蓮です。月日が経ち随分大きな木に育ちました。
花が高い所に咲く様になり見上げていると、絵の方も空に浮かんでいる花のイメージになりました。







「皐月」 2014年  10号P   



五月の末、山口県の東後畑。田植えの為水を張った棚田の風景です。
年々、高齢などの為水が張られる田んぼが減っています。絵の上では水を満たし日本原風景のイメージで描きましたが寂しい限りです。





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【プロフィール】


林 孝二 (ハヤシ コウジ)



 1960年 兵庫県に生まれる 
 1984年 京都精華大学日本画コース卒業 
 1986年 多摩美術大学大学院日本画専攻修了 
 1988年 京都画壇日本画秀作展′94 
 1991年 創画展′92 1992年 創画会春季京都展春季展賞′93 
 1994年 京都日本画新鋭選抜展 大三島美術館買上 
 1995年 尖展(京都市美術館他以後20回) 
 1999年 星野眞吾賞展(以後5回、′05 審査員推奨)
 2000年 京展(京都市美術館賞買上) 
 2001年 個展(京都・村田画廊)′05、′09 
 2006年 東山魁夷記念日経日本画大賞展 ′12 
 2009年 個展(銀座・純画廊)′10 ′14 
               Nihonga・京(日本橋三越本店他 ~′15) 
 2014年 個展(高島屋京都店、大阪店)